同じ「とる」でも、食事の話になると「取る」と「摂る」のどちらで書けばいいのか迷うことはありませんか。スマホやPCの変換候補に両方出てきて、どっちが自然なのかで手が止まることもあります。
たとえば「水分をとる」「栄養をとる」はよく見かけますが、文章にすると漢字で印象が少し変わります。さらに料理の話では「水分をとる」が「抜く」意味になることもあり、ややこしく感じやすいポイントです。
この記事では、食事に関する場面にしぼって、「取る」と「摂る」の違いと使い分け、よくある言い回し(水分・栄養・塩分など)の考え方、迷ったときの無難な書き方までまとめます。
結論:「取る」と「摂る」の使い分け(食事の基本)
迷ったら「取る(または ひらがなの とる)」でOK。意味をはっきりさせたいときだけ「摂る」
「取る」は意味の幅が広く、食事の文章でもいちばん自然に使える表記です。
一方「摂る」は、食べ物や成分を「体内に取り入れる」という意味を強調したいときに向いています。
つまり、食事の話では次の2つで考えると迷いが減ります。
- 成分・栄養を“体に入れる”ことを強調したい → 摂る(栄養を摂る/カロリーを摂る など)
- 食事・水分補給など“行動”として自然に書きたい → 取る(食事を取る/水分を取る など)
さらに判断が割れそうな言い回し(塩分・糖分)は、漢字にこだわらず「とる」と書かれることも多いです。
説明をきちんとしたい場面では「摂取する」と言い換えると、意味がぶれにくくなります。
※この記事でいちばん間違えやすいのは「摂る」よりも、実は「水分をとる」です。料理だと意味が逆になります。
「取る」と「摂る」の違い早見表
ここでは細かい説明の前に、違いがパッと見える形で整理します。読みながら「自分が言いたいのはどっち?」を決めやすくするためのコーナーです。
| 項目 | 取る | 摂る |
|---|---|---|
| いちばん近いイメージ | 手に入れる/する/確保する(意味の幅が広い) | 食べ物・栄養などを体内に取り入れる(食事の話に寄りやすい) |
| 食事の場面での使われ方 | 日常会話でよく使う/行動としての「食事」を言いやすい | 栄養や成分の話をはっきり言いたいときに使われやすい |
| よく一緒に出る言葉 | 水分、休憩、朝食、食事(時間を取る/食事を取る など) | 栄養、カロリー、たんぱく質、食物繊維(栄養を摂る など) |
| 文章の印象 | やわらかい/ふだんの言い方に近い | 少しきちんとした印象/説明文に合いやすい |
| 迷いやすいポイント | 「塩分を取る」「糖分を取る」などは文章だと揺れやすい | 会話だと少しかたいと感じることがある |
| 迷ったときの選び方 | まずは「取る」でOK(食事の行動・習慣を書きやすい) | 「体内に取り入れる」を強調したいときに使う(成分・栄養の説明向き) |
| さらに迷うときの逃げ道 | 漢字にこだわらず「とる(ひらがな)」にする/説明をきちんとしたいときは「摂取する」に言い換える | |
「取る」の意味と使い方

「取る」は食事の話でもよく使う言葉ですが、そもそも意味の幅が広いのが特徴です。まずは「取る」の得意な場面を見ていきます。
「取る」の基本イメージ(幅が広い言葉)
「取る」は「手に取る」「写真を取る」「休みを取る」「責任を取る」など、食事と関係ないところでもたくさん使われていて、漢字そのものが「いろいろな動きの受け皿」になっています。
食事の場面でも同じで、「食事を取る」「朝ごはんを取る」と言うと、厳密な栄養の話というより「食べる時間を作る」「食事をする」という雰囲気が出やすいです。
文章でも会話でも使いやすい分、意味を体に入れるに絞りたいときは「摂る」に譲る、というイメージです。
食事で使う「取る」(水分・塩分など)
「水分を取る」はとても一般的で、会話でも文章でも自然に読めます。
ここでの「取る」は、「水分を飲む/水分を補給する」という意味で使われることが多いです。
「塩分を取る」「糖分を取る」も見かけますが、こちらは文脈が大事です。
成分の話としてきちんと書きたいなら「摂る」寄り、日常の言い回しとして軽く触れるなら「取る」寄り、という選び方がしやすいです。
どちらを選んでも通じることは多いので、「文章全体の雰囲気(かたい/やわらかい)」に合わせて揃えると読みやすくなります。
「取る」を使った自然な例文
- 今日は忙しかったから、昼ごはんを取る時間がなかった。
- まずは水分を取って、少し落ち着こう。
- 食事はなるべく決まった時間に取るようにしている。
- 朝は軽く何か取ってから出かけることが多い。
「摂る」の意味と使い方

「摂る」は、食事の中でも特に「栄養」や「成分」を意識した文章でよく見かけ、意味の方向がはっきりしています。
「摂る」の基本イメージ(体に取り入れる)
「摂る」は、食べたり飲んだりして「体内に取り入れる」意味を表す言葉として使われやすく、「栄養を摂る」「カロリーを摂る」のように、成分の話と相性が良いです。
同じ「とる」でも、「取る」より目的が見えやすくなるので、説明文やまとめ記事で使うと話が整理されやすいことがありますが、会話で多用すると少しかしこまった感じが出ることもあるので、場面に合わせて使うと自然です。
「摂る」が自然な言い方(栄養・カロリーなど)
「栄養」「カロリー」「たんぱく質」「食物繊維」など、成分をはっきり言うときは「摂る」が選ばれやすいです。
書いている内容が食事の中身に近いほど、読み手も「摂る」を違和感なく受け取りやすくなります。
また、文章の中で「摂る」を使うときは、周りも少し丁寧めな言い回しに揃えると浮きにくく、逆に、全体がくだけた文なら「取る」中心にして「摂る」はポイントだけ、という使い方も合います。
大事なのは正解探しより「文章全体が読みやすいかどうか」なので、迷ったら全体のトーンに合わせて選ぶくらいの気持ちで大丈夫です。
「摂る」を使った例文
- 今日は外食が続いたので、家では野菜で栄養を摂ることにした。
- 昼はパンだけで済ませたから、夜はたんぱく質を摂れるものにしたい。
- 献立メモに「食物繊維を摂る」と書いておいた。
食事での「取る」と「摂る」の使い分け
ここでは「どっちが正しい?」を決めるよりも、「どう書くと読み手に伝わりやすい?」を中心に迷いやすい場面をいくつかに分けて、どちらの漢字が自然に見えるかを具体例で整理します。
文章(説明・記事)で迷わないコツ
説明文やまとめ記事では、「栄養」「成分」を中心に述べるときに「摂る」が選ばれることが多いです。
「体内に取り入れる」という意味が前に出るため、成分の話として読まれやすくなります。
一方で、「生活の流れ」や「食事の習慣」を述べる文脈では「取る」が使われやすいです。
「食事をする」「食事の時間を確保する」といった行動の意味に寄りやすいからです。
まとめると、成分(栄養・カロリーなど)を中心に述べる文脈では「摂る」、行動(食事・朝食など)を中心に述べる文脈では「取る」が選ばれやすい、という整理になります。
取ると摂る:どちらでも通じるケース
「塩分をとる」「糖分をとる」のように、どちらの漢字も見かける言い方があります。ここは間違い探しより伝わり方で決めるのがスムーズです。
- 読み手に「成分の話だな」とはっきり伝えたいなら「摂る」。
- 日常の言い回しとして軽く触れるなら「取る」。
文章内で混ぜるときは、同じ段落の中で「取る/摂る」が交互に出ないように揃えると読みやすくなります。
取る・摂るの書き換え例(取る⇔摂る)
- 栄養を取る → 栄養を摂る(成分の話がはっきりする)
- 水分を摂る → 水分を取る(会話っぽく自然に聞こえやすい)
- 食事を摂る → 食事を取る(行動として言いやすい)
- 塩分を取る → 塩分を摂る(文章をきちんと整えたいとき)
迷いやすい言い回し(ここだけ押さえる)
検索でもよく出てくる「取る・摂る」のつまずきポイントをまとめます。ここを押さえておくと、本文の言い回しが決めやすくなります。
「水分をとる」:意味が2通りある
「水分をとる」は、日常では「飲んで体に入れる」という意味で使われることが多いです。この場合は「水分を取る」が自然に読めます。
ただ、「とる」は場面によって「取り除く」の意味に近づくこともあります。
特に料理や下ごしらえの話では、同じ言葉が別の意味で使われやすいので「水分をとる」を書くときは、前後の文で「飲む話なのか」「抜く話なのか」を少しだけはっきりさせると誤解が減ります。
料理の「水分を取る」(水気を切る)
料理では「水分を取る」が「水気を拭く」「水気を切る」「水分を飛ばす」などの意味で使われることがあります。ここは体に入れるではなく材料から抜くので、読み手が迷いやすいポイントです。
文章で確実に伝えたいなら、「水分を取る」だけで止めずに「水気を切る」「水分を飛ばす」と言い換えるのが分かりやすいです。

同じ「水分」でも意味が反対になることがあるので、料理の文脈では特に、言い換えが便利です。
「栄養をとる/摂る」:どちらが自然?
「栄養」は成分の話なので、「栄養を摂る」のほうが文章としてはまとまりやすいですし、読み手にも意図が伝わりやすいです。
一方で「栄養を取る」も会話ではよく使われます。
やわらかい言い回しにしたいなら「取る」でも不自然ではありません。
どちらにするか迷ったら、同じ記事の中で「カロリー」「たんぱく質」なども扱うなら「摂る」に揃える、会話文が多いなら「取る」中心にする、と決めると整います。
「塩分をとる」:表記の選び方
「塩分をとる」は日常でも使いますし、文章でも見かけますが、ここは「取る/摂る」のどちらでも見かけるタイプです。
- 成分の話としてきちんと書くなら「塩分を摂る」
- 会話っぽく、生活の工夫として軽く触れるなら「塩分を取る」
同じ段落の中で「摂る」を使うなら他の成分も「摂る」に揃えると、読んだときにスッと入ります。
「取りすぎ/摂りすぎ」:書き分けの考え方
- 「取りすぎ」:日常でよく見かける表記で、幅広い話題に使える便利さがあります。
- 「摂りすぎ」:成分や栄養の話に寄せたいときに合いやすいです。文章の方向がはっきりするので、説明文では使いやすい場面があります。

どちらかに決めたら、同じ記事の中ではできるだけ揃えると読みやすさが上がります。
「摂る」が気になるとき(漢字・表記の話)
「摂る」を見ると「これって難しい漢字?」「硬い?」と感じる方もいるので、ここでは正しさより読みやすさを軸に、選び方をまとめます。
「摂る」が少し硬く見える理由
「摂る」は日常の会話より、説明文やまとめ記事で見かけることが多い漢字なので、文章の雰囲気が少しきちんとした印象になりやすいです。
成分の話や整理した説明には合いやすく「言いたいことが明確に見える」という良さがありますが、
硬く見せたくないときは、「取る」に寄せたり、ひらがなにするなど、読み手が引っかからない形を選ぶのが自然です。
迷ったときの書き方:「摂取する」「とる」
どうしても迷うときは「摂取する」に言い換えると、意味がはっきりします。
文章としては少し固くなりますが、説明としては分かりやすいです。
ひらがなの「とる」は、漢字の選択で意味が揺れそうな場面で使われる表記です。
「摂取する」は少しかたい言い方ですが、意味を限定して書きたいときに用いられます。
文章を説明調に寄せたい場合は「摂取する」、表記をやわらかくしたい場合は「とる」という選択肢もあります。
変換できないときの整え方
端末や入力環境によっては、思った漢字がすぐ出ないこともありますが、そんなときは無理に難しい漢字にこだわらなくても大丈夫です。
ひらがなの「とる」にする、または「体に入れる」のように言い換えると、読み手にもやさしくなります。大切なのは「読み手が止まらないこと」なので、見た目の整え方も伝わりやすさ優先で十分です。
似た言い方との違い(言い回しの整理)
「取る/摂る」だけでなく、似た言い方がいくつかあります。ここを軽く整理しておくと、文章がさらに作りやすくなります。
「取る/摂る」と「食べる/飲む」の違い
「食べる」「飲む」は動作がそのまま伝わる、いちばん分かりやすい言い方なので、会話や体験談では特に使いやすいです。
「取る/摂る」は、動作そのものより「食事をする」「体に入れる」というまとめた言い方になります。文章を整理したいときに便利です。
やわらかさを優先するなら「食べる/飲む」を増やし、説明をまとめたいときだけ「取る/摂る」を使うと自然にまとまります。
「摂る」と「摂取する」の違い
「摂取する」は、言葉としては少しかたいですが、意味がはっきりしていているので説明に向いていて、文章で「何をしているか」を明確にしたいときに便利です。
「摂る」は、同じ方向の意味を持ちつつ、少し短く、言い回しとしてはやわらかめにできます。
記事の雰囲気が固くなりすぎそうなら「摂る」、より説明的にしたいなら「摂取する」と使い分けるとバランスが取りやすいです。
取る/摂るで迷った時のQ&A(FAQ)

最後に、つまずきやすい疑問を短くまとめます。
Q. 「食事をとる」は漢字でどっち?
日常の言い方としては「食事を取る」がよく使われますが、栄養や成分の話をしている文章なら「摂る」を選ぶこともあります。
迷ったら、記事の雰囲気に合わせてどちらかに揃えるのが読みやすいです。
Q. 「摂る」って文章だと硬く見える?
「摂る」は、栄養や成分などを説明する文章でよく使われるため、体験談や日常の出来事を述べる文脈では、「取る」が使われることが多いです。
いっぽう、栄養・カロリー・たんぱく質など成分の話を中心にする文脈では、「摂る」が選ばれやすいです。
Q. 迷ったら、ひらがな「とる」でいい?
十分アリです。読み手が止まらないのがいちばん大事です。
漢字で迷いそうなところは「とる」にしても意味は伝わりますし、文章の雰囲気がやわらかくなるメリットもあります。
まとめ:食事の「取る」と「摂る」はこう使い分ける
最後に、食事の文脈で迷いやすい「取る/摂る」を、要点だけ整理します。
「摂る」は、栄養・カロリー・たんぱく質などの成分を「体内に取り入れる」意味を明確にしたい文脈で用いられやすい表記です。
「取る」は意味の守備範囲が広く、食事や水分などを日常の行動として述べる文脈で使われやすい表記です。
ひとつの文章内では、同じ話題は同じ表記にそろえるだけでも読みやすさが安定しますが、判断が割れやすい箇所は、ひらがなの「とる」を使う表記も一般的です。