自署ってパソコン入力でもいいの? それとも手書き必須?――書類を前に迷うこと、ありますよね。
“自署”は基本的に自分の手で氏名を書くことが求められますが、様式や提出先のルールしだいでは、キーボード入力の“記名”で足りる場合や、電子署名で代わりにできる場合もあります。
この記事では、「自署」と「記名」の意味と違い、どちらが必要かの見分け方、よくあるNGを避けるコツ、送る前に確認したいポイントまで整理します。
結論:自署は手書きが基本

まずは結論です。
多くの書類は「自署=直筆」が基本ですが、欄が「記名」ならPC入力可の余地があり、提出先が指定する電子署名なら代替できる場合もあります。
本人確認ができる電子署名(サービスや仕組みを使う方式)は、条件が合えば自署の代わりとして受け付けられることがあるため迷ったら、その書類の様式の指示と提出先の案内を最優先にしましょう。
「自署」とは?

自署は「自分の名前を自分の手で書くこと」です。
鉛筆やペンで直に書く行為そのものに意味があり、あとから「本当に本人が同意したのか?」という話になったときの確かな手がかりになります。
署名欄に「自署」と明記されている場合は、画像の貼り付けや家族の代筆は避け、自分の手で書きましょう。
意味と求められる理由
自署が求められるのは、本人の意思がはっきり示せるからです。
手書きには癖や筆圧、字の流れがあり、後で確認するときの材料になります。入力やスタンプよりも「その人がその場で同意した」ことを示しやすく、トラブルの予防にもつながります。
提出先は「だれがいつ同意したのか」を確かめたいので、自署をお願いすることが多いのです。
自署が必要になりやすい書類
同意書、申込書、委任状、雇用や賃貸の契約書、学校の承諾書、医療関係の説明同意、重要事項に関わる申請などは自署が指定されやすい代表例です。
欄外や注意書きに「自署」の文字がないか必ず確認し、あればペンで手書きしましょう。
「記名」とは?
記名は「名前を示す」ことの総称で、手書き以外でも構いません。
PC入力、ゴム印、印字、ラベル貼付なども広い意味で記名です。書類の性質が軽いときや、社内の回覧、WEBフォームの送信などでは記名で足りる場面もあります。
ただし、提出先が「自署」と指定している場合は、記名だけでは不足です。
意味と使われる場面
記名は「誰の書類か」を分かりやすくするための目印です。稟議や申請の控え、社内の依頼書、テスト提出物の氏名欄など、本人の強い意思表示まで求めない場面で使われます。
読みやすさ重視なので、PC入力や印字が歓迎されることもあります。
押印との関係(記名+押印で可のケース)
「記名+押印で可」と書かれた様式では、PC入力やゴム印で名前を示し、認印や社判で確認する方法が想定されています。つまり、手書きの自署までは不要という扱いです。
ただし、押印文化の扱いは提出先によって違います。最近は押印省略の運用も増えているため、様式に従うことが何より確実です。
自署と記名の違い
ここでは、代表的な書類ごとに「自署が必要になりやすい」か「記名や電子署名でも足りることがある」かの一般的な傾向をまとめます。あくまで目安なので、最終判断は必ず各書類の様式や注意書き、提出先の案内を優先してください。迷ったときは提出先にひと言確認すると確実です。
書類タイプ別の傾向
まずは書類の種類ごとに、手書き(自署)・PC入力(記名)・電子署名のどれが採用されやすいかをざっくり把握しましょう。下記は一般的な傾向です。最終判断は必ず様式と提出先の指示を優先してください。
- 同意書・委任状:自署が基本。PC入力のみは差し戻しになりやすい。電子署名は相手先が方式を定めている場合に可。
- 雇用契約・賃貸契約:自署指定が多いが、電子契約サービス採用先では電子署名で完結するケースも増加。
- 社内申請書・稟議:記名(PC入力・印字)で足りることが多い。社内ルールに押印や承認フローがあれば従う。
- 学校の承諾書:保護者の自署を求めることが多い。記名のみは不可の場合あり。指示文・記入例を要確認。
- 行政手続き:窓口/オンラインで要件が異なる。紙提出は自署が無難、オンラインは指定の電子署名方式に合わせる。
- 金融・保険:本人確認が厳格。自署または専用の電子署名が前提になりやすい。サイン画像の貼付は原則不可。
※上記は傾向の要約です。各タイプの詳細な注意点は、この後のセクションで解説します。
目的
自署=本人の確かな同意を示す/記名=誰の書類かを示す
方法
自署=本人が手書き/記名=PC入力・印字・スタンプ等も含む
強さ
自署=後から確認しやすい強い証明になりやすい/記名=記名=場面によっては十分なことも、不十分なこともある
指定
様式に「自署」とあれば必ず手書き/「記名」なら入力や印字で足りることが多い
※注意:記名のみで提出すると差し戻しの恐れ/自署は代筆や画像貼り付けは避ける
PC入力はOK?判断フロー

PC入力が通るかは、たいてい様式と提出先の運用で決まります。下の順で確認すると迷いにくくなります。
まず様式の指示を確認する
最初に見るのは「欄の名前」です。
自署・署名とあれば手書き、記名・氏名とあれば入力可の可能性があります。
さらに注意書きや記入例を読み、「自署(直筆)」や「記名押印可」などのキーワードを探します。ここで9割は判断できます。
OKになる例/NGになる例
OKになりやすい例
社内申請の氏名欄、WEB提出前提の様式、注意書きに「記名可」「電子署名可」とある書類。
NGになりやすい例
委任状や同意書で「自署」と明記、契約書で「直筆に限る」とある、本人確認が特に重要な手続き。迷う場合は提出先に一言確認するのが最短です。
書類別の目安(OK・NG早見表)

以下はタイプ別の詳しい目安です。迷ったら様式の指示と提出先の案内を最優先にしましょう(要点の要約は上の「書類タイプ別の傾向」)。
同意書・委任状
自署が基本。PC入力は差し戻しになりやすい。
雇用契約・賃貸契約
自署が指定されることが多い。電子署名可の運用も増加。
社内申請書・稟議
記名でも足りるケースが多い。会社ルールを確認。
学校の承諾書
自署指定のことが多い。提出要領に従う。
行政手続き
窓口やオンライン方式により異なる。案内の指示が最優先。
金融・保険
本人確認が厳格。自署または専用の電子署名が前提になりやすい。
電子署名で代替できるとき
電子署名は、本人確認と改ざん防止の仕組みを使って「オンラインで署名する」方法です。提出先が方法を定めている場合に力を発揮します。
どんなときに認められる?
相手先が電子契約サービスや電子申請システムを採用しているときに有効です。ログインやSMS認証、署名履歴の記録などで「誰がいつ同意したか」を示せるため、紙の自署の代わりとして扱われます。双方が同じ仕組みでやり取りし、提出先の案内に沿っていればスムーズです。
サイン画像貼り付けがNGになりやすい理由
手書き風の画像は簡単にコピーでき、本人確認の裏付けが弱いからです。見た目は署名でも、意思の確認や改ざん防止の観点では不十分と判断されがちです。

提出先が認める場合を除き、画像貼り付けだけの対応は避けましょう。
よくあるNGと直し方

ありがちなつまずきを先に知っておくと、差し戻しを減らせます。落ち着いて、指示に合わせて直していきましょう。
自署欄をPCで打ってしまった
様式に自署とあるのにPCで入力した場合は、空欄に戻すか二重線で打ち消し、提出先の指示どおりに自署し直します。書き直し用に予備を印刷しておくと安心です。提出先に「訂正のしかた」を尋ねれば、好みの色や方式(黒インク指定など)も確認できます。
家族や担当者が代筆した
自署欄の代筆は避けましょう。本人が書けない事情があるときは、提出先に相談し、代理の方法(委任状や代理記名の書き方)を確認します。

訂正のしかた(差し戻し予防)
誤記は慌てず、指示された方法で直します。一般的には、誤字に二重線を引き、余白に正しい字を記し、訂正印が求められる場合があります。全面修正が必要なら、最初から清書し直したほうが早く見やすいです。
送る前のチェックリスト(10項目)

提出直前の最終確認で、差し戻しの多くは減らせます。次の10項目を順番に見ていきましょう。
- 署名欄の表示が「自署」か「記名」かの確認
- 注意書き・記入例の遵守(色・押印・日付の形式など)
- 直筆指定の欄が手書きになっているか
- 電子提出の指定どおりに署名・送信したか
- 氏名表記が本人確認書類と一致しているか(旧字体・フリガナ等)
- 日付の最新化と記載漏れ・書き間違いの有無
- 訂正がある場合、指示どおりの方法で処理しているか
- 押印が必要な欄の押印済み確認(かすれ・位置ずれの有無)
- 同意チェックの抜け・ページ抜けの有無
- コピー・スキャンの画質確認(傾き・影・トリミング)
FAQ(よくある質問)

ここでは質問が多いポイントにしぼって簡潔にお答えします。最終判断は必ず提出先の案内に合わせてください。
自署欄にPC入力+押印で通る?
様式に「自署」とあれば基本は直筆が必要です。記名+押印で可と明記されている場合のみ、その方法が選べます。まずは書式の指示を確認しましょう。
PDF提出でも手書きは必要?
PDF提出でも、様式が直筆を求めていれば手書き→スキャンが必要です。逆に、電子署名を指定している場合は紙の自署は不要です。
電子署名なら手書き不要?
提出先が電子署名を認めているなら手書きは不要です。ログイン認証や署名履歴など、本人確認の仕組みが前提です。使用サービスの指定がないかも確認しましょう。
海外の“signature”は自署と同じ?
概ね近い概念ですが、運用は機関によって異なります。英字サインやブロック体記載を求めるケースもあります。案内・記入例を最優先にしてください.
まとめ:迷ったら「様式の指示」と「提出先の案内」に合わせる
結論はシンプルです。自署は「本人が手書き」が原則、記名は「印字やPC入力でも可」になることがあり、電子署名は「条件が整えば自署の代替になりうる」という位置づけです。
そして最終判断は、用紙の欄名と注意書き、提出先の運用で決まります。欄に「自署/署名」とあれば手書き、「記名」とあればPC入力の余地があり、「電子署名可」などの注記があればその方法が最短です。
逆に、自署欄をPC入力で済ませると差し戻しの原因になります。迷ったときは、様式の指示を読む→指定どおりに書く(手書き/記名/電子署名)→不明点は提出先に一言確認、の順番を守れば差し戻しを減らせます。
差し戻されると時間も手間もかかるため、まずは「自署」か「記名」かを理解しておくのが一番です。