トリや大トリという言葉は、なんとなく「最後の人かな?」とは思っても、いざ説明しようとすると迷ってしまうことがあります。
紅白歌合戦(紅白)を見ていて「トリが2人いるの?」「最後から2番目がトリってこと?」と引っかかった方も多いかもしれません。
この記事では、「トリを務める」のトリが何を指すのかやトリと大トリの違い、なぜカタカナで書かれることが多いのか、そして「トリを務める・トリを飾る・トリを取る」といった言い方の違和感まで、わかりやすくまとめます。
結論:「トリ」はその枠の最後を務める「締めの出演者」
トリの定義は「最後から2番目」ではなく「その枠の最後」を指す言葉です。紅白は紅組・白組の2つの枠に分かれているので、紅組の最後が「紅組トリ」、白組の最後が「白組トリ」というように、トリが2つ出てきます。
ただし番組全体のいちばん最後に歌うのは1人だけなので、その人を「大トリ」と呼びます。結果として、もう片方の組のトリが「番組の最後から2番目」になりやすい、というだけです。
ポイントは、順番を数えるのではなく「枠で考える」ことです。枠の最後がトリ、全体の最後が大トリ。こう覚えると、年によって曲順が変わっても迷いにくくなります。
迷ったときの判断ルール(これだけ覚えればOK)
判断はとてもシンプルです。
- 「その枠(組・部・日・カテゴリなど)の最後」を言いたいならトリ
- 「全体としていちばん最後」を言いたいなら大トリ
と考えます。
たとえば紅白のように紅組・白組という枠が2つあると、それぞれに「最後」が生まれるのでトリが複数出ます。そのうえで番組全体のラストに立つ人だけを、区別して大トリと呼ぶ、と整理するとブレません。
逆に、枠が1つしかない場面では、トリ=大トリのように同じ意味で使われることもあります。
早見表:トリ/大トリの違い(定義・位置・使う場面)
先に早見表で全体像をつかんでおくと、本文の説明がすっと頭に入りやすくなります。迷ったら「枠の最後か、全体の最後か」だけ見返せばOKです。
| 項目 | トリ | 大トリ |
|---|---|---|
| ひとことで言うと | その枠の最後 | 全体の最後 |
| 「最後」の範囲 | 組・部・日・枠など、区切りの中 | イベントや番組全体 |
| よく出る場面 | 紅組の最後/白組の最後、ステージ枠の最後 など | 番組のラスト、最終日のラスト など |
| 人数のイメージ | 枠が複数あると複数人になることがある | 基本は1人(全体の最後は1つ) |
| 言い換えるなら | 枠の締め、最後の出演者 | 全体の締め、番組のラスト |
| 例(紅白歌合戦) | 紅組トリ/白組トリ | 番組全体の最後に歌う人 |
紅白に当てはめるとどうなる?
紅白は紅組・白組それぞれが枠なので、「紅組の最後」「白組の最後」がそれぞれ存在します。
これが「トリが2人いる」状態です。
番組全体の最後に歌うのはその2人のうちの1人だけなので、その人が大トリになります。
見方としては、紅組トリ/白組トリという2つの枠の最後が並び、番組ラストになった方のトリを大トリと呼ぶ、と覚えておくとわかりやすいですね。
つまり「最後から2番目=トリ」というより、「枠が2つあるからトリが2つ出る。そのうち全体ラストが大トリ」という順番で捉えるのが自然です。
「トリ」の意味:もともとは寄席・興行で最後を務める人

トリは、もともと「舞台の出し物がいくつか続いたあと、いちばん最後に出て全体を締める人」を指す言葉として使われてきました。
こうした場では、出番が最後の人が「今日のまとめ役」になります。
場の空気をきれいに終わらせる役目もあるので、最後の出演者を特に「トリ」と呼ぶようになりました。
その「トリ」ってどこからきているのでしょうか?
語源は鳥ではなく「取る」から来た言い方という説です。
昔の寄席(よせ)では、最後の出演者(主任)がその日の興行収入をいったん取って、寄席側の取り分を引いたあと、出演者に分配していたとされます。この「取る役」から、最後を務める人を「トリ」と呼ぶようになったとされるのが一説にあります。
なお、番組表などでは最後の人を「主任(しゅにん)」と書き、いわゆるトリにあたります。
この「取る(とり)」が言葉として残り、最後を務める人のことを「トリ」と呼ぶようになった、というのがよく紹介される由来の一つです
今は収入の仕組みが同じでなくても、「最後に出る人」「締めの役」という意味だけが残り、テレビ番組や式典、ライブなどでも使われていて広く定着しています。
「トリを務める」が特別感のある言い方に聞こえる理由
「トリを務める」は単に順番が最後、というだけでなく、「最後にふさわしい役目を任される」「場を締めて終わらせる」というニュアンスが乗りやすい表現です。
最後の出番は、会場の熱量が高まりやすい一方で、終わり方次第で全体の印象も決まりやすいポジションです。
そのため、トリには責任がある見せ場になるという含みが出やすく、紹介文やニュースでも少し格のある言い方として選ばれます。
「ラスト」や「締め」と言い換えることもできますが、トリは「役割」として語りやすいのが特徴です。
「トリ」を漢字で書くと?「主任」との関係
「トリって鳥のこと?」と連想しやすいのですが、用語としてのトリは鳥とは別の流れで使われています。
寄席では、最後を務める人を別の呼び方で示すこともあり、そこから言葉の雰囲気がつかみやすくなります。
「鳥」と勘違いされやすいポイント
カタカナの「トリ」は音だけ見ると「鳥」を思い浮かべやすく、ここがいちばんのつまずきポイントです。
文章で説明するときは、「最後の出演者」「締めの役」といった言い換えを一緒に置くと、鳥の話ではないことがすぐ伝わります。
あわせて知っておくと便利なのが「表記の話」です。
トリは「正式にはこの書き方」と一つに固定された言葉ではないので、実際の文章ではカタカナの「トリ」で書かれることが多く、読み手にも意図が伝わりやすいので、記事では「トリ/大トリ」とカタカナで統一されていることが多いです。
「大トリ」とは:トリが複数ある場で全体の最後を指す言い方
大トリは、トリが1人に決まらない構造のときに便利な言葉です。「最後を務める人」が複数出てくる場面で、全体としていちばん最後に立つ人をはっきり指せます。
なぜ大トリが必要になる?(枠が分かれているときの考え方)
枠が分かれていると、「それぞれの枠の最後」を指す言葉が必要になります。
たとえば紅白の紅組/白組、フェスの複数日程、授賞式の部門ごとのブロックなど、区切りがある場では「最後」がいくつも出てきます。
このとき「トリ」だけで説明すると、「どの枠の最後?」が分かりにくくなりがちです。そこで、全体のいちばん最後を「大トリ」と呼ぶと、話がすっきり整理できます。
言いかえると、大トリは「全体を締める担当」を一言で示す呼び名です。それぞれの枠のトリを大切にしつつ、全体のラストもはっきりさせたいときに役立ちます。
紅白でよくある疑問:「最後から2番目=トリ?」を整理

紅白は「トリ」「大トリ」という言葉がふだんより前に出る番組なので、ここで言葉のイメージが固まりやすいです。
とくに「最後から2番目がトリなの?」という疑問は毎年のように出てくるので、この機会にいちどすっきり整理しておきましょう。
紅白で「トリが2人」になる理由
先に説明したとおり、トリは「番組全体で何番目か」ではなく、「その枠の最後」を指します。
紅白では、紅組と白組がそれぞれ独立した枠として進むため、「紅組の最後=紅組トリ」「白組の最後=白組トリ」という形で、トリが2人出てきます。
そのうえで、番組全体としていちばん最後に歌うのは1人だけです。そこで、2人いるトリのうち、番組ラストに当たる人を区別して「大トリ」と呼びます。
「最後から2番目=トリ」と感じやすいのは、もう片方の組のトリが、結果として番組のラスト直前に配置されやすいからです。
順番の数字で覚えるより、「紅組の締め」「白組の締め」「番組全体の締め」という3つの役割で見ると、毎年の曲順が変わっても迷いにくくなります。
例)紅白のトリ・大トリはこう決まる
紅白では「紅組の最後=紅組トリ」「白組の最後=白組トリ」というように、枠ごとにトリが決まります。
そのうえで、番組全体として最後に歌うのは1人だけです。
そこで、2人いるトリのうち、番組ラストに当たる人を区別して「大トリ」と呼びます。
つまり覚えるべきなのは人物名ではなく、
「枠の最後=トリ」「全体の最後=大トリ」という決まり方です。
紅白以外だとどうなる?
トリ/大トリの考え方は、紅白限定ではありません。ライブや式典、発表会、フェスなど、イベントの形が変わっても同じように応用できます。
例文で確認:トリを務める/大トリを飾る
意味が分かったら、実際の文章でどう使うかも一度確かめておくと、言い回しに迷いにくくなります。ここでは、会話でも告知文でも使いやすい形にそろえて、例をまとめます。
- トリを務める:今日はAさんがトリを務めます。
- トリを務める:最後はBさんがトリで締めます。
- 大トリを飾る:大トリはCさん。いよいよラストです。
- 大トリを飾る:イベントの大トリとしてDさんが登場します。
- トリ(枠の最後):紅組のトリはEさん、白組のトリはFさんです。
言い方の注意点:「トリを飾る/トリを取る」は正しい?
トリは会話でもよく使われるぶん、言い方がぶれやすい言葉です。
意味が通るかどうかだけでなく、読み手が取り違えにくい表現を選ぶと、文章の受け取り方が安定して記事の信頼感にもつながります。
会話では通じても、文章だと引っかかる言い方があります。
ここでは「意味が通るか」よりも、「読んだ人がひっかかりにくいか」という基準で整理します。
トリを務める
まず、いちばん無難なのは「トリを務める」です。
「最後の役割を担当する」という意味がそのまま伝わるので、告知文でもニュースでもレポートでも使いやすい言い方です。
トリを飾る
次に「トリを飾る」もよく使われます。
「最後を華やかに締める」という雰囲気が出るので、ライブや番組の紹介文など、少し盛り上げたい文脈に向きます。ただし、落ち着いたビジネス文書では「最後を務める」のほうが硬さが合います。
トリを取る
一方で「トリを取る」は、言いたいことは想像できるものの、文章では少し言い回しが独特に見えることがあります。
迷ったときは
- トリを務める
- 最後を務める
- ラストを飾る
に置き換えると、誤解や違和感が起きにくく、読み手が意味を取り違えにくい表現です。
似た言葉との違い:トップバッター/前座/ヘッドライナー
トリの周辺には「最初」や「看板」を表す言葉もあり、セットで押さえると使い分けが一気にラクになります。ここでは混同しやすい3つだけ、短く整理します。
トップバッター
「最初に出て場を温める役」で、勢いよく始めたいときに置かれます。
前座
「本編前に雰囲気を作る役」で、主役級の前に入るポジションです。
ヘッドライナー
「看板として名前が前に出る出演者」で、順番より格や目玉感を表しやすい言い方です。
トリ/大トリは「締めの順番」を示すのが中心なので、役割の方向が逆(最初)だったり、評価軸が違う(看板)だったりする、と理解すると混ざりません。
トリ・大トリで疑問に思いやすいことQ&A(FAQ)

最後に、トリ・大トリで迷いやすいポイントを短くまとめます。
Q. トリって「鳥」のこと?
鳥の意味ではありません。イベントや番組で「その枠の最後を務める人(締めの出演者)」を指します。誤解を避けたいときは「締めの出演者」「枠の最後」と言い換えると伝わりやすいです。
Q. トリと大トリの違いは?
トリは「枠の最後」、大トリは「全体の最後」です。枠が1つしかない場面では、トリ=大トリのように同じ意味で使われることもあります。
Q. 「最後から2番目=トリ」って本当?
基本は違います。トリは「最後から何番目」ではなく「その枠の最後」です。紅白のように枠が2つあると、片方のトリが結果として「番組全体の最後から2番目」になりやすいだけです。
Q. 紅白でトリが2人いるのはなぜ?
紅白は「紅組」「白組」という2つの枠に分かれているため、それぞれに「枠の最後(トリ)」がいます。その2人のうち、番組全体の最後に歌う人が「大トリ」です。
Q. トリはなぜカタカナ表記が多いの?
音だけだと「鳥」と混同されやすいので、意味をはっきりさせる目的でカタカナの「トリ」がよく使われます。記事内でも「トリ/大トリ」で表記を統一すると、読み手が迷いにくくなります。
Q. 「トリを務める」「トリを飾る」「トリを取る」どれが自然?
迷ったら「トリを務める」がいちばん無難です。「トリを飾る」も紹介文や告知文でよく使われます。「トリを取る」は意味は想像できても言い回しが独特に見えることがあるので、文章では「トリを務める/ラストを飾る」に寄せると読み手が迷いにくいです。
Q. フェスの「ヘッドライナー」とトリは同じ?
同じとは限りません。ヘッドライナーは「看板・目玉」を指すことが多く、トリは「締めの順番(枠の最後)」が中心です。目玉が途中に出ることもあれば、目玉がトリを務めることもあります。
まとめ:その枠の最後=トリ/全体の最後=大トリで考える
トリは「最後から2番目」という意味ではなく、「その枠の最後」を指す言葉です。紅白のように紅組と白組で枠が分かれている場合は、それぞれにトリがいて、番組全体の最後に歌う人が大トリになります。
表記に「これが正式」という決まりはありませんが、記事では読み手に伝わりやすいカタカナの「トリ」でそろえると混乱が起きにくくなります。文章で迷ったときは「トリを務める」がいちばん無難で、盛り上げたい場面なら「ラストを飾る」も使えます。
迷ったら「いま話しているのは、どの枠の最後か」を先に確認してみてください。枠がはっきりすると、トリと大トリの使い分けも自然に決まります。