荷物に貼る「取扱注意」「天地無用」「壊れもの」などの注意書きラベルは、配達の現場に扱い方を手短に伝える大切な目印です。
とはいえ、貼れば安心というわけではありません。まずは固定・緩衝・防水の基本を整え、そのうえで弱点に合う少数のラベルを見える面に配置するのがコツ。
本記事は意味と使い分け、入手方法、貼り方、手書きの可否まで、初めてでも迷わないように整理しました。
注意書きマークとは?役割と基本の考え方

注意書きマークは、配達する人に「どう扱ってほしいか」を短く伝える目印です。
中身を守る主役はあくまで梱包で、緩衝材で固定する・外箱を強くする・水に備えるなどの対策が先に必要です。
マークはその補助として使い、必要なものを少数にしぼり、意味が重ならないように貼るのがコツです。
荷物の注意書きの種類
よく使われる表示の意味と向いている場面、貼る位置の目安をまとめます。まず「何に弱い荷物か(衝撃・圧力・向き・水・温度・振動など)」をはっきりさせ、弱点に合う表示だけを選びましょう。
壊れもの(こわれもの)
落とした衝撃や角に当たる力に弱い荷物向けでガラスや陶器、薄いプラ容器、へこみやすい缶などに該当します。
上面とよく見える側面に最低2面貼り、運ぶ人の視線に入る角の近くに置くと気づかれやすくなります。

表示よりも先に、箱の中で動かないよう固定することが大切です。
取扱注意(とりあつかいちゅうい)
「全体的にていねいに扱ってほしい」という広い意味の表示です。
しかし、これだけを多く貼っても効果は上がりにくいので、具体的な弱点がある場合は「壊れもの」「水濡れ注意」「天地無用」などと組み合わせ、内容をはっきりさせます。上面+側面で2〜3面が目安です。
上積み厳禁(うわづみげんきん)
ほかの荷物を上に載せられるとつぶれるおそれがある場合に使います。薄い箱や強度が弱い外装、箱の中に空間が多い梱包に向いています。
上面を大きめに、側面にも補助で貼ると積み重ね時に気づかれやすくなります。必要に応じて二重箱や天面の補強も検討しましょう。
下積厳禁(したづみげんきん)
積み重ねたとき、いちばん下に置かれると重みで変形しやすい荷物に使います。軽いけれど外装がつぶれやすいときや、角に力がかかると弱い中身に有効です。側面の上のほう、目線に入りやすい帯の位置に貼ると判断してもらいやすくなります。
外箱の強度が足りない場合は、箱の材質や厚みの見直しも合わせて行いましょう。
横積み厳禁(よこづみげんきん)
立てた向きを保たないと液漏れや片寄り、内部破損が起きる荷物向けです。鉢植えの花や液体容器やクリーム、粉体、上下が決まっている機械などに使います。
矢印(THIS SIDE UP)とセットで、全ての面で矢印の向きをそろえます。上面と向かい合う2つの側面に表示があると気づかれやすくなります。
天地無用(てんちむよう)
上下を逆さにせず「常に正しい向きで扱う」指示です。
液体容器や精密ユニット、上下が決まっている製品に向いています。上面の中央に大きく、側面の上端近くにも矢印と合わせて貼ると効果的です。横積み厳禁との併用は可能ですが、矛盾する向き表示が混ざらないよう全ての面で統一します。
水濡注意(みずぬれちゅうい)
雨や結露、飛まつで品質が落ちやすい荷物向けで、紙・布・革・電子部品・化粧箱などが代表例です。
表示だけでは濡れを防げないため、内袋にポリを使い、継ぎ目はテープでしっかり封じ、外側はストレッチやシュリンクで水の入り込みを減らします。上面と露出しやすい側面に貼ると配慮を促せます。
精密機器
電子機器や光学部品など、振動・静電気・温度変化に弱い荷物向けです。
まず「固定」と「遊びゼロ」を優先し、角に当たらない内装にします。表示は上面+2側面が目安です。必要に応じて「取扱注意」「天地無用」「水濡れ注意」を少数だけ併用し、意味の重なりは避けます。
シールやラベルはどこで入手できる?
- 配送窓口で提供されるもの
- 文具店やネットで買える製品
- 自分で印刷する
入手方法は上記の3つが主になります。耐水性や粘着力、サイズをそろえると見やすく信頼感のある仕上がりになります。急ぐときは屋外対応や強粘着タイプが扱いやすいです。
配送業者の窓口で無料でもらえるケース
店舗や時期によって異なるため、必要数が多いときは事前に相談すると安心です。窓口のラベルは視認性が高く、現場でも意味が伝わりやすいデザインが多いのが利点です。
文房具店やネット通販で購入する方法
サイズ・色・用途別の選択肢が豊富です。耐水・耐候のラベルや強粘着のものがおすすめです。箱の長辺に対して長さ10〜15cm程度だと遠くからでも読みやすく、太めの文字でコントラストが強いデザインを選ぶと効果的です。
家庭用プリンタで自作する方法
ラベル用紙にテンプレートを印刷します。太字、はっきりした配色(赤×白、黒×黄など)、矢印の明確さを意識すると良いです。雨やこすれに備え、上から透明テープやラミネートで保護すると長持ちします。
注意書きラベルの正しい貼り方
基本は「見える面に、向きをそろえて、最後に貼る」です。
PPバンドや封かんテープの上に重ねると剥がれやすく、読みにくくなるため、梱包が完成してから平らな面に貼りましょう。

必要な表示にしぼり、数を増やしすぎないことも大切です。
見やすい位置と必要な面数
上面1面と、運ぶ人の目に入りやすい側面1〜2面の合計2〜3面が目安です。台車やベルトコンベアの高さを意識し、角の近くに貼ると斜めからでも読めます。向きがある表示は全ての面で上下を統一します。
テープやバンドに隠れないようにする工夫
バンドや封かんテープの上を避け、凹凸の少ない平らな面へ貼ります。段差をまたぐと剥がれやすく、文字も読みづらくなります。貼ったあと軽く押えて密着させると、はがれにくくなります。
配送業者による取り扱いの違い
細かな運用は会社や拠点で差があります。
ラベルは配慮のお願いであり、完全な保護の保証ではありません。
迷うときは窓口で梱包方法やオプションを確認しましょう。内容物や大きさによって最適な案内が受けられます。
ヤマト運輸
サイズや重さ、中身に合わせた梱包の目安があります。精密品や壊れやすい荷物は、まず内装で動かないように固定し、外箱の強度も確保します。補償の有無や範囲も事前に確認しておくと安心です。
佐川急便
大型や重量物は段積みされることがあるため、外箱の圧縮強度が重要です。「上積み/下積厳禁」を使う場合でも、二重箱やパレット化など物理的な対策を合わせると破損の可能性を下げられます。
日本郵便
ゆうパックなどでは、内容物やサイズに応じた梱包の目安が示されています。水ぬれ対策や緩衝材の入れ方、向き表示の統一など、基本の徹底で安定した取り扱いが期待できます。不明点は差し出す前に相談すると確実です。
取扱注意は手書きでも大丈夫?
読みやすく目立ち、向きがそろっていれば手書きでも役に立ちます。
ラベルが手元にないときや急いでいるときに便利ですが、屋外や雨が心配な場面では耐水性が課題です。太いマーカーで大きく、矢印を添えて、透明テープで保護するのがおすすめです。
手書き表示のメリットとデメリット
メリットはすぐに書けて自由度が高い点です。デメリットは見た目の統一感や耐久性が既製ラベルより落ちることです。漢字にふりがなを添えたり、短くはっきりした言葉にすると誤読を減らせます。
太字・矢印など手書きで書く際のコツ
上面と側面の少なくとも2面にくり返して書き、矢印(↑)で向きを示します。外での積み降ろしも想定し、透明テープで全面を覆ってこすれや雨から守ります。英語やわかりやすい絵記号を添えると、初めて扱う人にも伝わりやすくなります。
取扱注意マークを使う時に気を付けること

「貼れば安心」とは限りません。破損の多くは梱包の不足が原因です。まずは中身が動かない固定、角当たりの回避、外箱の強度、水への備えを整え、そのうえで表示を最小限にわかりやすく貼りましょう。
注意書きが荷物を完全に守るわけではない
現場では多様な荷物が混ざり、積み替えや搬送で衝撃や圧力がかかることがあります。だからこそ、固定・緩衝・二重化・防水を優先し、表示は扱い方を伝える補助として使います。高額品や一点物は、出荷前後の写真を残しておくと説明に役立ちます。
貼りすぎや矛盾表示は逆効果になることも
意味が重なる表示をたくさん貼ると、かえって要点が伝わりにくくなります。弱点を特定して2〜3種類にしぼり、向きがある表示は全ての面で上下をそろえます。強く伝えたいものを大きく、補助は小さくして強弱をつけると分かりやすいです。
補償や保険とあわせて考える重要性
配慮をお願いしても、破損リスクをゼロにはできません。内容物の価値に見合う補償やオプション、対象外条件を事前に確認すると安心です。精密機器や一点物は、梱包の強化と記録、補償の確認をセットで進めましょう。
よくある質問(FAQ)

読者が迷いやすい点を先回りして答えます。実際の作業に移しやすいよう、判断の基準を簡潔に示します。
Q. 「天地無用」と「上積み厳禁」は両方必要?
上下の向きを守ってほしい(天地無用)のか、上に載せてほしくない(上積み厳禁)のかで目的が違います。両方必要なら併用で問題ありませんが、貼りすぎにならないよう、主となる表示を大きく、補助は小さめにすると伝わりやすくなります。
Q. 手書きの「取扱注意」でも配達員に伝わる?
太く大きな文字で簡潔に書き、矢印を添えれば十分伝わります。上面と側面の2面以上に書き、透明テープで保護すると雨やこすれにも強くなります。時間があれば既製ラベルとの併用が理想です。
Q. 小さな封筒や袋にも注意シールを貼るべき?
必要性と見え方で判断します。面積が小さいと表示が目立ちにくいので、壊れやすい場合は厚紙スリーブや小箱に入れてから貼ると、保護と視認性の両方を確保できます。
荷物を送る時の取扱シールの種類や意味!手書きもOK?のまとめ
要点は3つです。
- 守るのは梱包、表示は補助。
- 弱点に合う少数の表示へしぼり、向きと位置をそろえる。
- 高額・易損品は写真記録と補償の確認まで含めて備える。
これらを押さえれば、無駄な貼り付けを減らし、破損のリスクを着実に下げられます。
ラベルは配慮のお願いであり、完全な保護の保証ではないことを前提に大切な荷物を送りたいですね。