夕方になると街の木や電線に大量の鳥が集まり、「ギャーギャー」と鳴き声が響いてうるさい…。そんな光景に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
実はそのうるさい鳥、ムクドリという名前の野鳥かもしれません。
ムクドリは秋から冬にかけて、夕方になると街中に大群で現れ、大きな鳴き声とともにねぐらを求めて集まります。
「駆除できないの?」と疑問に思う方もいますが、ムクドリは法律で守られているため、安易な駆除はできません。
この記事では、ムクドリがなぜ街に集まるのか、なぜうるさく鳴くのか、その理由や習性をわかりやすく解説します。
また、うるささに悩んでいる方のために、被害の実態や効果的な対策方法もあわせてご紹介します。
街でうるさい「ムクドリ」ってどんな鳥?

街中の木から夕方にギャーギャーと大きな声で鳴いている鳥、その正体は「ムクドリ」という野鳥です。
たくさんの数が木に止まって鳴いているのはわかりますが、姿を見ることがなく意外と名前を知らない人も多いですが、特徴を知ると「あの鳥か!」とわかるでしょう。
ムクドリの見た目と特徴
ムクドリは体長24cmほどで、スズメより大きく、ハトよりは小さい中型の鳥です。

意外に大きいのです
全体的には灰色がかった黒い羽に、顔周りや羽の一部が白く、くちばしと足がオレンジ色をしています。
名前を知らなくても、夕方に木の上や電線に集まっている鳥を見たことがある人は多いはずです。
カラスやスズメとどう違う?
ムクドリはカラスやスズメと間違えられがちですが、違いは明確です。
カラスは全身が真っ黒で体も大きく、鳴き声も「カーカー」と低く響きます。
スズメは小さく、茶色い羽と可愛らしい姿が特徴です。
一方ムクドリは白と黒が混ざった羽色で、群れになると「ギャーギャー」「キュルキュル」と甲高い声で鳴きます。
群れの規模も数百羽〜数千羽に及ぶことが多く、見た目も鳴き声も目立つ存在です。
ムクドリの生態や習性をもっと詳しく知ろう

ムクドリのうるささの理由や集団行動を知るためには、その生態や習性を理解することが大切です。
普段どんな暮らしをしているのか、どこで繁殖しているのかを見ていきましょう。
ムクドリの1日の過ごし方
ムクドリは昼間、田畑や公園、空き地などの開けた場所でエサを探しています。
主に虫やミミズ、木の実などを食べ、地面を歩き回りながら採食します。
日中は群れというよりは小集団や単独で行動することが多く、街中で目立つほどではありません。
ところが夕方になると「ねぐら」と呼ばれる集まる場所に戻ってきて、あの大群が出来上がるのです。
ムクドリの寿命や繁殖時期
ムクドリの寿命は野生でおよそ5年から10年とされています。
繁殖期は春から夏にかけてで、1回の繁殖で4〜6個の卵を産みます。
繁殖力が高いため、都市部でも数が減るどころか年々増えている地域もあります。
また、天敵が少ないことや気候が温暖な都市では生き延びやすく、大群になりやすいのです。
ムクドリが街に集まるのはなぜ?大群になる理由とは

ムクドリがどうして街中の駅前や公園、街路樹に集まるのか。その理由には都会ならではの事情が関係しています。
都会に集まる理由
都会にはムクドリの天敵であるタカやフクロウなどの猛禽類がほとんどいません。
また、街中は夜でも明るく、冬でも気温が比較的高い環境です。
こうした条件がムクドリにとって「安全で快適な場所」となり、街中に集まりやすくなっています。
特に駅前やショッピングモールの周辺の木は、照明で明るく人通りが多いため、まさにムクドリが安心して眠れる場所として「天敵がいない・明るい・温かい環境」を満たしているため選ばれがちです。
群れで集まる習性
ムクドリは「ねぐら入り」と呼ばれる習性を持っており、夕方になると集団で眠る場所に集まります。
群れで集まることで外敵に襲われにくくなるため、日没前後には次々と集まってきて、木の上や電線が黒いかたまりになるほど密集します。
このとき、位置を知らせたり喧嘩をしたりするために盛んに鳴くため、騒音の原因となります。
なぜムクドリはあんなにうるさいの?

ムクドリの鳴き声はなぜあんなに大きく、しかも集団で騒ぐのか。その背景には鳥同士の重要な「会話」があります。
ムクドリが大きな声で鳴く理由|仲間との連絡や縄張り争い
ムクドリの鳴き声にはいくつかの意味があります。
まず、ねぐらに戻る際に「ここにいるよ」と仲間に位置を知らせるための連絡。
さらに、木の上で場所を奪い合う縄張り争いの意味もあり、互いに威嚇し合うため声が大きくなります。
単なるおしゃべりというよりは、生き残るための大事なコミュニケーションなのです。
鳴く時間や季節|特にうるさいのは秋から冬の夕方
ムクドリが特にうるさく感じるのは秋から冬にかけての夕方です。
日が短くなる時期は、ねぐらに集まる時間が集中し、群れの規模も大きくなりがちです。
春から夏は繁殖期で、もっと静かな場所に巣作りするため、街中での騒音はやや減ります。
つまり、秋冬の夕方にムクドリの鳴き声が気になるのは、自然な習性によるものなのです。
ムクドリによる騒音・フン害の被害とは?
ムクドリの被害はここ最近だけのことではなく、長年にわたって問題視されていますが、その背景や変化を見ていきましょう。
なぜムクドリの大群が増えたのか
ムクドリの大群が目立つようになったのは、都市化や農地の減少が関係しています。
自然の天敵が減り、郊外よりも安全な都市部にムクドリが集まるようになりました。
また温暖化の影響で冬でも都市部が過ごしやすく、昔よりも集団規模が大きくなったと考えられています。
地域ごとのムクドリ被害
日本全国で被害がありますが、特に関東・関西の大都市周辺では深刻です。
駅前の街路樹や公園、商店街など人が集まる場所にねぐらが作られるため、夕方の帰宅時間と重なって不快に感じる人が多いのです。
時期としては秋から冬がピークで、ニュースになることも少なくありません。
ムクドリがもたらす被害とは?
ムクドリは見た目も鳴き声もうるさいだけでなく、私たちの生活に様々な被害をもたらしています。
騒音・フン害・衛生問題
ムクドリが大群で集まることで、騒音被害が発生します。
特に夕方から夜にかけての時間帯は「うるさくて眠れない」「話し声が聞こえない」といった声が上がります。
さらにフン害も深刻で、木の下や電線の下にフンが大量に落ち、悪臭や滑りやすくなる危険があります。
衛生面でも菌やダニの繁殖が心配され、実際に清掃が追いつかない地域もあり、自治体も対応に苦慮しています
木や電線の下に集まる困りごと
ムクドリは街路樹や電線の下に集まりやすく、その結果、道路や自転車置き場、商店街の看板などがフンで汚れます。
清掃コストや美観の悪化、場合によってはフンによる腐食で設備が劣化することもあります。

住民だけでなく自治体にとっても大きな悩みの種です。
ムクドリと似た「うるさい鳥」他にもいる?

ムクドリ以外にも「うるさい鳥」と感じる存在はいます。
知識としてどの鳥がどう違うのかを知っておくのもいいかもしれません。
ヒヨドリやカラスとの違い
ムクドリと間違えやすいのは「ヒヨドリ」と「カラス」です。
ヒヨドリはやや大きめの鳥で、全体的に灰色の羽に白い斑点があり、「ピーヨ、ピーヨ」と高い声で鳴きます。
一方カラスは全身真っ黒で「カーカー」と低く大きな声を出すため、ムクドリとは違います。
また、カラスは群れで行動することはあっても、数千羽規模にはならず、ねぐらの騒音もムクドリほどではありません。
季節で変わるうるさい鳥
春から夏にかけては、ムクドリの騒音は減りますが、代わりに「ヒヨドリ」や「カワラヒワ」などが騒がしく感じることがあります。
これらの鳥は繁殖期に入ると活発になり、朝早くから鳴き続けるため「朝うるさい」と感じる人も。
季節によってうるさい鳥が変わるため、「また違う鳥が増えた?」と気付くこともあるでしょう。
ムクドリが騒ぐのはいつ?季節・時間帯ごとの特徴
ムクドリの騒音が続くのはいつまでなのか、静かになる時間や時期を知っておけば、ある程度対策や心構えができます。
春〜夏はなぜ比較的静か?
- 春から夏は繁殖期で、都市部のねぐらに集まることは少なくなります。
- そのため騒音や大群の被害は秋冬ほど目立ちません。
春〜夏にもムクドリの声が聞こえるのはなぜ?
- 繁殖が進んでいないペアや、遅れて繁殖するムクドリがいる
- 巣立った若鳥たちが集団を作り始める時期
- エサ場が豊富な街中では、日中や夕方に集まることがある
季節ごとの行動パターンまとめ
- 春〜夏:繁殖・子育て期間で他の季節に比べ比較的静か
- 秋〜冬:ねぐらに集まる大群が発生し騒音・フン害が増える
- 夕方〜夜:どの季節も夕方はねぐら入りで特に騒がしい
ムクドリの騒音やフン害…駆除できない理由と追い払い対策

ムクドリの被害を減らすために、自治体や個人でできる対策があります。
ただし鳥獣保護法の関係で制限も多いため、正しい方法を知っておきましょう。
行政の対応
多くの自治体では、ムクドリのねぐらになっている街路樹の剪定や伐採、また追い払い作戦を実施しています。
大きな音を出したり、光を当てたりしてムクドリを追い出し、ねぐらを変更させる方法が一般的です。
ただし、完全な解決は難しく、別の場所に移動するだけというケースも多いのが現実です。
個人でできるムクドリ対策
個人でできる対策としては、ムクドリが嫌う音や光を活用する方法があります。
超音波や反射材、強い光を発するアイテムを設置することで、一時的に寄せ付けにくくなります。
また、ベランダや庭の木に防鳥ネットを張って物理的に入れなくするのも効果的です。
ただし住宅密集地では音の出る対策はご近所迷惑になるため注意が必要です。
例えば、こうした超音波機器や反射テープは手軽で試しやすい対策です。
鳥獣保護法での制限
ムクドリは「鳥獣保護法」で守られているため、許可なく捕獲や駆除を行うことはできません。
したがって、行政が計画的に対策を取ることが求められ、個人レベルではあくまで「寄せ付けない・ねぐらにさせない」工夫が中心になります。
まとめ|ムクドリとうまく付き合うには
ムクドリは夕方になると街中に集まって大きな声で鳴き、時には数千羽の大群になることもあります。
見た目が特徴的な中型の鳥ですが、名前を知らない人も多く、「夕方にうるさい鳥=ムクドリ」と初めて知った方も多いでしょう。
ムクドリが街に集まるのは、天敵が少なく安全で、明るく温かい都市部が住みやすいからで、特に秋から冬にかけての夕方は困ることが多くなります。
しかし、ムクドリは鳥獣保護法で守られているため、むやみに駆除することはできません。
ムクドリに困ったら、まずは地域の対策情報を確認しつつ、自宅でもできる予防策を考えてみましょう。
正しい知識を持って、無理なくムクドリと付き合うことが大切です。

