正月が近づくと、「三が日は洗濯をしないほうがいいらしい」「福を洗い流してしまうって聞いたことがある」といった話を耳にすることはありませんか。
でも実際の暮らしの中では、洗濯を数日休むのがむずかしかったり、「どこまで気にしたらいいんだろう」と迷ってしまうことも多いですよね。
この記事では、正月に洗濯を控えると言われてきた理由や、いつから洗濯を再開している人が多いのかといった目安を、整理します。
この記事の結論:正月の洗濯は「いつから再開するか」を決めておく

正月の洗濯については、「三が日は洗わないほうがいい」と聞いたことがあっても、実際には家庭によって考え方がかなり違います。まずは考え方についてみていきましょう。
三が日は洗濯をしない家も多いことを知っておく
まず知っておきたいのは、「三が日に洗濯をしない」という考え方は、日本のいろいろな地域で昔から伝わってきた風習だということです。
もちろん全国どこでも同じではなく、「まったく気にしない」という家庭もあれば、「少なくとも元旦だけは控える」という家庭もあります。
どちらが正解という話ではなく、「そういう考え方がある」ということを知っておくだけでも、すれ違いが少なくなります。「うちはこう思っているけれど、こういう風習もあるんだな」と、少し余裕を持って受け止めたいですね。
忙しい家庭は「気にしすぎない」選び方もOK
共働きや子育て中の家庭では、洗濯を数日止めてしまうと、すぐに洗濯かごがいっぱいになってしまいますよね。
保育園や仕事の制服が必要だったりして、「三が日はまったく洗わない」というのが現実的ではない家庭も多いと思います。
そうしたときは、昔からの言い伝えを知ったうえで、「わが家はここまでは大事にして、ここから先はあまり気にしない」と線を引いてしまっても大丈夫です。
ふだんの生活を無理にきびしくするより、「気持ちよく過ごせる範囲で取り入れる」というスタンスのほうが現実的です。
正月に洗濯してはいけないとされる理由とは?

ここでは、「なぜ正月に洗濯を控えると言われてきたのか」という、もともとの考え方をみていきます。「こんな理由でそういわれてきたんだな」と、背景を知るつもりで読み進めてみてください。
昔から続く「三が日に洗濯を控える」風習の由来
三が日に洗濯を控える風習には、「お正月のあいだは、なるべく家事を減らしてゆっくり過ごす」というねらいがあったと言われています。
昔は今よりも家事がすべて手作業で、洗濯も重たい水くみや手洗いが当たり前でした。そのため、年末にまとめて掃除や洗濯を済ませておき、元旦からの三日間くらいは、できるだけ家事をしないで体を休めることが、大切にされていたのです。
また、新しい年の始まりは、いつもと違う特別な期間と考えられていたため、「ふだんの家事は少し横に置いておき、家族そろって静かに過ごす」という意味も込められていました。
「福を洗い流す」と言われるようになった理由
「正月に洗濯をすると、せっかく家に来てくれた福まで洗い流してしまう」といった言い方を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、「新しい年にやってきた幸せや良い流れを、できるだけ長く家にとどめておきたい」という気持ちから生まれた表現だと考えられています。
水仕事はどうしても「流す」「洗い流す」というイメージがつきやすいため、そこから「良い運も一緒に流れてしまうのでは」と感じる人がいたのかもしれません。
ただし、これはあくまで昔からの言い方であり、「洗濯をしたから本当に悪いことが起きる」といったことではありません。

言葉の背景にある「福を大事にしたい」という気持ちを知ると、少し優しい目線で受け止めやすくなります。
歳神様(年神さま)を迎えるあいだは家事をひかえるという考え方
お正月は、「歳神様(としがみさま・年神さま)」と呼ばれる、1年の豊かさや実りをもたらしてくれる存在を家に迎える期間と考えられてきました。
そのあいだは、家の中をきれいに整え、お客さまを迎えるような気持ちで静かに過ごす、というイメージです。
洗濯や大がかりな掃除など、バタバタと動き回る家事は、そうした特別な訪問のさまたげになるのでは、と考える人もいたので「神様がいるあいだは、少し家事の手をゆるめて、落ち着いて過ごそう」という、ゆったりとした時間の過ごし方が、洗濯を控える理由のひとつになっているとも言えます。
年末の大掃除とセットになった「三が日は家事をお休み」の意味
年末の大掃除は、「一年のよごれを落として、新しい年を気持ちよく迎える」という意味で行われてきました。
その流れで、「年末にがんばるぶん、三が日はできるだけ家事をお休みしよう」という考え方も自然と生まれたと考えられます。
今でこそ、洗濯機や乾燥機があり、毎日の洗濯が当たり前になっていますが、昔は水くみや干す作業だけでも大仕事でした。だからこそ、年末に力を使い切ったあとくらいは、家事を減らして休むことが、体をいたわる意味でも大切だったのだと思われます。
「洗濯をしてはいけない」というより、「がんばった自分を休ませるために、あえてしない期間を作る」という、やさしい発想として捉えることもできます。
風水や言い伝えで語られる「水仕事」と運のイメージ
風水や昔からの言い伝えの中では、水は「流れ」や「運び去る」というイメージと結びついて語られることがあるので、正月のあいだにたくさんの水仕事をすることを、あまり好ましく思わない考え方もあります。
「良い運まで一緒に流してしまいそう」「落ち着くべき時期にバタバタしてしまいそう」と感じる人がいたのかもしれません。
ただし、こういった考え方も、あくまでひとつの見方にすぎません。
「そういう考え方もあるんだな」と知ったうえで、自分が心地よく過ごせるかどうかを大切にすることが一番です。
今どきの人はどれくらい気にしているのか
最近は、正月の洗濯について
「まったく気にしない」
「三が日もふだん通り」
という家庭も増えてきています。一方で、親世代や祖父母世代には、「やっぱり三が日くらいは洗濯を控えたい」と考える方も少なくありません。
実際には、同じ家の中でも世代によって感じ方が違うこともあるので、「そんなの古い」と切り捨ててしまうより、お互いの気持ちを聞き合うことが大切になってきます。
大切なのは、「こっちが正しい・間違っている」と決めつけることではなく、「うちではどこまでを大事にするか」を、家族で話しながら決めていくことだと言えそうです。
正月の洗濯はいつからしていい?再開の目安とやさしい考え方

ここからは、「いつから洗濯を再開している人が多いのか」「どんな区切り方があるのか」といった、具体的な目安について紹介していきます。絶対の正解があるわけではありませんが、いくつか代表的な考え方を知っておくと、「うちはこのパターンが合いそうだな」と選びやすくなります。
一般的に「1月4日以降」が良いと言われる理由
多くの家庭では、「三が日が終わる1月4日から、ふだん通りの生活に戻る」という区切り方をしています。
会社や学校の始まりと重なることも多く、「4日から仕事だから、その日をきっかけに家事もいつも通りに戻す」という感覚の人も多いでしょう。
洗濯についても同じで、「元旦〜3日はできるだけ控えめにして、4日からは気にせず回す」という目安にしている家庭が少なくありません。
三が日にまったく洗わないのは難しくても、「本格的にまとめて洗うのは4日から」とゆるく決めておくだけでも、気持ちの整理がつきやすくなります。
「人日の節句(1月7日)」を区切りにする家庭や地域もある
なかには、「人日の節句」と呼ばれる1月7日をひとつの区切りと考える地域や家庭もあります。
この日は七草がゆでおなじみの日で、「お正月気分をここでいったん締めくくる」というイメージで過ごす人もいます。
「松の内」と呼ばれる期間も、地域によっては7日までとされることがあり、そのあいだはお正月飾りを出している家も多いですよね。
そうした考え方に合わせて、「せめて7日までは洗濯を控えめにしておく」「7日を過ぎたら完全にふだん通りに戻す」といったルールにしているところもあります。
「元旦だけ控えて、2日・3日から少しずつ洗う」という中間案
三が日すべてをきっちり洗濯なしにするのは現実的に難しい、という家庭では、「元旦だけは洗濯機を休ませて、2日や3日から必要な分だけ洗う」という中間案もよく選ばれています。
たとえば、「元旦はできるだけ静かに過ごして、2日以降はタオルや下着など最低限のものだけ洗う」と決めておくだけでも、気持ちの折り合いがつきやすくなります。
こうして「ここまでは守る」「ここからは暮らしを優先する」と線を引くことで、習慣と生活のバランスを取りやすくなります。

「うちにちょうどいい折り合いのつけ方」を見つけるイメージで考えてみるとよさそうです。
家庭や地域によって違うタイミングの決め方
正月の洗濯をいつから再開するかは、家庭や地域ごとの考え方が大きく影響します。
たとえば、
「昔からの風習を大切にする家庭では4日以降」
「あまり縁起を気にしない家庭では2日から普通に洗う」
といった違いが生まれますし、地域によっても「松の内のあいだは控えめにする」「初詣や新年のあいさつ回りが落ち着いてから再開する」など、さまざまなパターンがあります。
「近所や親せきはどうしているのか」をさりげなく聞いてみると、安心感が得られることもありますが、最終的には「わが家の暮らしに合うタイミングかどうか」をいちばんの基準にしてよいでしょう。
共働きやマンション暮らしなど暮らし方に合わせた目安
共働き家庭や、洗濯物を干すスペースが限られたマンション暮らしでは、「晴れている日にある程度まとめて洗う」ことが欠かせません。
そのため、三が日だからといってきっちり洗濯を止めてしまうと、あとで大変な思いをすることもあるので、「騒音になりにくい時間帯だけ洗う」「三が日のあいだは一日に1回までにしておく」など、暮らしに合わせたルール作りが現実的です。
また、乾燥機付きの洗濯機を使っている家庭や、コインランドリーを活用している家庭では、「においや音が出にくい形で、必要な分だけ洗う」といった工夫も取り入れやすいでしょう。
三が日に洗濯しても大丈夫?やむを得ないときの考え方と注意点

ここでは、「本当は控えたほうがいいのかもしれないけれど、どうしても洗濯が必要」という場面に目を向けてみます。できるだけ心や周囲への負担を小さくするための考え方や工夫をまとめました。
育児・介護・仕事などどうしても洗濯が必要なときの対応
小さな子どもがいる家庭では、着替えやタオルの消費が多く、三が日といえど洗濯なしではどうにもならないことがよくあります。
介護が必要な家族がいる場合も、清潔を保つためにはこまめな洗濯が欠かせませんし、サービス業などで元旦から仕事がある人にとっては、仕事着や制服を洗わないわけにもいきませんよね。
こうした場合は、「暮らしを回すために必要な洗濯はしてよい」と考えて「一度に回す量を少なくする」「回数をしぼる」など、できる範囲で控えめにしておけば、気持ちの折り合いもつきやすくなります。
元旦に洗濯するなら時間帯をずらして静かにすませる
どうしても元旦に洗濯をする必要がある場合は、時間帯を工夫することで、音などの周囲への負担を軽くできます。
たとえば、
- 朝早すぎる時間や夜遅すぎる時間は避け、日中の短い時間だけ回す
- 長時間コースではなく、短めのコースを選ぶ
といった調整が考えられます。
また、洗濯機の中に入れる量を少なめにしておくと、振動や音も抑えられやすくなります。
「元旦はなるべく静かに過ごしたい」と思っている人も多いので、自分が必要な洗濯をしつつ、周囲への配慮も少しだけ意識しておけると安心です。
部屋干しや乾燥機を使うときに気をつけたいポイント
三が日に外に洗濯物を堂々と干すのは気が引ける、という場合は、部屋干しや乾燥機を活用するという選択肢もあります。
部屋干しをするときは、洗濯物同士の間を少し広めにあけて、空気が通りやすいようにするだけでも、乾きやすさが変わりますし、除湿機やサーキュレーターがあれば、それをあわせて使うのも一つの方法です。
早朝や深夜をさけて音をおさえる、ご近所への気づかい
マンションやアパートなどの集合住宅では、洗濯機の音が下の階や隣の部屋に響いてしまうことがあります。
とくに早朝や深夜は、眠っている人も多い時間帯なので、三が日に限らず避けたほうが安心です。できれば、日中の家にいる人が多い時間帯を選び、やむを得ず朝や夜に回す場合は、短時間で終わるコースにするなど、少しだけ気をつかっておけると良い印象につながります。

こうした気づかいは、正月の洗濯に限らず、日ごろの暮らしの中でも役立つマナーです。
洗濯を控えるときにできる工夫と代わりのアイデア

ここでは、「三が日はなるべく洗濯を減らしたい」という人のために、洗濯回数を少なくしながらも、なるべく快適に過ごすための工夫をまとめました。少しのひと手間や準備で、「洗えないから不快」というストレスを減らすことができます。自分の生活スタイルに合いそうなものから、できる範囲で取り入れてみてください。
消臭スプレーや陰干しで衣類をすっきり保つコツ
「すぐに洗えないけれど、においだけでもなんとかしたい」というときは、消臭スプレーや陰干しが役に立ちます。
着終わった服をそのまま脱ぎ散らかさず、ハンガーにかけて風通しのよい場所に吊るしておくだけでも、こもったにおいが軽くなります。
また、室内でも窓の近くや廊下など、空気が動きやすい場所にかけておくと、短時間でもすっきりしやすくなります。
「洗えないから終わり」ではなく、「干す」「風にあてる」といった小さな工夫を重ねることで、着心地がかなり変わってきます。
インナーや便利グッズで洗濯の回数を減らす方法
トップスの下に着るインナーや汗取りパッドなどを活用すると、直接肌に触れる部分が受け止めてくれるので、上着そのものを洗う回数を減らすことができます。
冬場はとくに、厚手のニットやコートなど、毎回洗うのが難しい服も多いので、そうした服の下に薄手のインナーを一枚足しておくと、洗うのはインナー中心で済ませられるようになります。
また、靴の中敷きや消臭グッズを使えば、靴下や靴のにおい対策にもなります。「三が日はインナーだけしっかり洗う」「外側の服は陰干し中心にする」といった工夫を組み合わせれば、洗濯回数をおさえながらも、清潔さを保ちやすくなります。
乾燥だけでもコインランドリーを使う
お正月のあいだに家で干すことが引っかかる時は、乾燥だけでもコインランドリーを利用するのも一つの方法です。「どうしてものときの、助け船」として上手に利用すると、三が日も少し余裕を持って過ごせるようになります。
年末までの準備で「三が日はあまり洗わなくても平気」にする工夫
三が日の洗濯をなるべく減らしたい場合は、年末までの準備がとても役に立ちます。
たとえば、「年末にいつもより多めに洗濯しておく」「タオルや下着を少し余分に用意しておく」など、少し先を見越して動いておくだけで、「三が日だから洗えない」と追い込まれずに済みます。
子どもの服やパジャマも、枚数に少しゆとりがあれば、多少よごれても慌てなくてよくなり「年内に一度、まとめ洗いの日をつくる」だけでも違ってきます。
忙しい時期ではありますが、無理のない範囲で準備しておけると、正月の自分を助けることにつながります。
正月の洗濯についてのQ&A(FAQ)

ここでは、正月の洗濯でよく迷いやすいポイントを、簡単にまとめてご紹介します。
Q. 大みそかにまとめてたくさん洗濯しても大丈夫ですか?
A. 大みそかにしっかり洗っておくことは、「新年を気持ちよく迎える準備」とも考えられます。夜遅い時間をさけて、近所への音だけ少し気をつければ問題ないでしょう。
Q. 元旦にうっかり洗濯してしまいました。縁起直しは必要ですか?
A. うっかり洗ってしまったからといって、悪いことが起きるわけではありません。気になる場合は、「きょうから気持ちよく過ごそう」と気持ちを切り替えるきっかけにしてあげれば十分です。
Q. コインランドリーなら三が日に使っても平気でしょうか?
A. コインランドリーを使うこと自体を気にしない人も増えています。混雑する時間をさけ、長時間の占有を控えるなど、周りへの配慮があれば安心です。
Q. 制服や仕事着など、すぐに必要な服はどうするのがよいですか?
A. ないと困る服は、三が日でも遠慮なく洗ってかまいません。枚数を少し増やしておくか、「必要な分だけを静かな時間帯に洗う」と決めておくと気持ちが楽になります。
Q. 洗濯以外の家事(掃除や料理)はどこまでひかえたらよいですか?
A. まったく家事をしないのはむずかしいので、「大がかりな掃除は年末」「三が日は軽い片づけと簡単な料理だけ」など、少しペースを落とすイメージで考えるとよいでしょう。
Q. 実家や義実家が「三が日は洗濯しない家」のとき、どう合わせればよいですか?
A. その家のやり方を尊重しつつ、服やタオルを多めに持って行くなど、事前の準備で乗り切る方法があります。どうしても洗いたいものがあるときは、事情をそえてていねいにお願いしてみるとスムーズです。
まとめ:無理のない洗濯ルールで気持ちよく新年を迎えよう
正月の洗濯には、「三が日は控える」「福を洗い流さないようにする」といった、昔からの考え方がたくさん重なっています。
一方で、今の暮らしには、共働きや子育て、介護、元旦からの仕事など、それぞれの事情があります。すべてを昔のとおりにするのが難しい場面も、きっと多いと思います。
だからこそ、「どちらか一方だけが正しい」と決めつけるのではなく、「うちの家族にとって心地よい落としどころはどこかな」と考えてみることが大切なことかもしれません。
正月の過ごし方に、たったひとつの正解はありません。昔からの習慣に込められた思いを知りながら、今の自分たちの暮らしに合う形で、新しい一年を迎えられたら素敵ですね。