メリケン粉と小麦粉は同じもの?と思ったことはありませんか。実はメリケン粉は、明治時代にアメリカから輸入された小麦粉を指す古い呼び名です。
昭和30〜40年代までは家庭やレシピ本でも広く使われていましたが、昭和後半以降は「小麦粉」という表記に統一され、若い世代にはほとんど知られない言葉になりました。
本記事では、メリケン粉の語源や由来、使われなくなった時期や理由、今でも使う年代や地域の特徴、さらに薄力粉や強力粉との関係まで、誰にでもわかりやすく解説します。
メリケン粉と小麦粉って違うの?【結論】

まず最初に結論をお伝えすると、メリケン粉と小麦粉は同じものです。
昔はアメリカ(メリケン)から入ってきた小麦粉をそう呼んでおり、今では「小麦粉」という表記が一般的になっています。
地域や世代によって日常会話で残っていることもありますが、意味に違いはありません。
メリケン粉の語源や由来

「メリケン」という言葉は英語の“American(アメリカン)”から生まれた表現です。
明治時代にアメリカ産の小麦粉がたくさん輸入され、人々は外国産の粉を「メリケン粉」と呼ぶようになり洋食や西洋文化の普及とともに広まりましたが、国産小麦の増加や食品表示の統一によって次第に「小麦粉」に置き換えられていきました。
「メリケン」が「アメリカ」を指すようになった背景
江戸から明治にかけては、外国から入るものに独特の呼び名を付けることがよくありました。
「メリケン」はその一つで、アメリカから来た品物全般を表す呼び方でした。その流れで「メリケン粉」という表現が自然に広まったのです。
輸入小麦の広がりと「メリケン粉」という呼び名
明治期の日本では近代化が進み、港町を中心にアメリカから輸入された小麦が大量に流通し小麦粉を使った料理が広がる中で、アメリカ産の粉を表す「メリケン粉」という言葉が日常に定着しました。
古いレシピや広告に残る「メリケン粉」
古い料理本や広告、新聞記事には「メリケン粉」という表記が数多く見られます。パンや西洋菓子の材料として紹介され、家庭でも親しまれる言葉となっていきました。
メリケン粉と小麦粉の歴史
呼び方の変化は、日本の食文化や生活の変化と大きく関係しています。時代ごとに流れを追ってみましょう。
江戸末期〜明治に広まった舶来品「メリケン粉」
開国後の幕末から明治時代(1860〜1910年代)にかけて、アメリカ産の小麦粉が港町を中心に広まりました。当時は新しい食文化の象徴として「メリケン粉」と呼ばれ、全国に広がっていきました。
大正〜昭和前期に広がった洋食と家庭料理
大正時代から昭和初期(1910年代〜1940年代)にかけて、学校給食や食堂文化の普及で洋食が庶民の食卓に広まりました。この時期のレシピ本や雑誌にも「メリケン粉」という表記が多く見られます。
戦後以降に広まった「小麦粉」という呼び方
第二次世界大戦後(昭和20年代以降)、食糧政策や学校教育、食品表示制度の整備が進んだことで、「小麦粉」という表現が一般化しました。昭和30〜40年代には家庭のレシピ本や教育現場でも統一され、次第に「メリケン粉」は古い呼び方として扱われるようになりました。
地域や世代による呼び方の違い
現代では「小麦粉」と呼ぶのが一般的ですが、地域や世代によって「メリケン粉」と呼ばれることもあります。特に関西や高齢世代で耳にする機会が残っています。
粉もの文化とともに関西に残った「メリケン粉」
関西はお好み焼きやたこ焼きなど粉もの文化が根強く、家庭で粉を使うことも多い地域です。そのため「メリケン粉」という昔ながらの呼び方が今も残っています。
世代間で残る「メリケン粉」という表現
年配の方は「メリケン粉」という言葉を日常で使ってきたため、自然に口に出ます。私の祖母(昭和一桁生まれ)も今でも「メリケン粉」と呼んでおり、買い物メモにもそう書いています。こうした身近な経験からも、世代ごとの言葉の差がよく分かります。
教育とメディアで定着した「小麦粉」の表記
学校教育や家庭科、テレビ番組や料理本では「小麦粉」と表記されるのが基本です。「小麦粉」への統一の表記が進んだことで若い世代は「メリケン粉」という言葉を知らない人も増えています。
「メリケン粉」と料理文化の関係(お好み焼き・たこ焼きなど)

粉を使った料理は、言葉の定着にも影響しました。家庭や地域で親しまれた料理とともに「メリケン粉」という言葉も残りました。
お好み焼き・たこ焼きと家庭の会話
関西では粉を使う場面が多く、会話の中で自然に「メリケン粉」と呼ばれてきました。祭りや屋台の文化も広がりを後押ししました。
ホットケーキや洋菓子に見られる名残
戦後はホットケーキや洋菓子が家庭に普及し、古いレシピや祖父母世代の会話に「メリケン粉」という言葉が残りました。懐かしい響きとして語り継がれることもあります。
うどん・パン文化との関係
うどんやパンも小麦粉が欠かせない食品です。製粉所やベーカリーが身近な地域では、「メリケン粉」という古い呼び方が親しまれてきました。
メリケン粉が使われなくなったのはいつ?
「メリケン粉」という言葉は、昭和中期頃まではよく使われていました。
特に昭和30〜40年代までは一般家庭やレシピ本でも普通に見られましたが、昭和後半以降は「小麦粉」という表記が主流になり、平成に入ると日常会話以外ではほとんど見かけなくなりました。
現在では昔の呼び方として語られることが多いです。
メリケン粉を使う年代層
現在でも「メリケン粉」という言葉を使う人はいますが、その多くは70代以上の方です。
50〜60代の人も子どもの頃に耳にした経験から知っている場合がありますが若い世代はほとんど使わず、言葉自体を知らない人も多いです。

このように世代による言葉のギャップがはっきりと現れる言葉の一つです。
メリケン粉と小麦粉の種類(薄力粉・強力粉など)との関係

メリケン粉は小麦粉の古い呼び方ですが、小麦粉には種類があります。ここで整理しておきましょう。
小麦粉の基本分類と用途
小麦粉はたんぱく質の量で薄力粉・中力粉・強力粉に分かれます。薄力粉はケーキや天ぷらに、中力粉はうどんに、強力粉はパンやピザに使われます。
誤解しやすい点:「メリケン粉=強力粉」ではない
パン作りと結びつくことが多いため「メリケン粉=強力粉」と思われがちですが、本来は「アメリカ産の小麦粉」という意味であり、粉の種類を表すものではありません。
レシピで迷わないための見分け方
現代のレシピには用途が明記されています。古いレシピに「メリケン粉」とあっても、料理内容に応じて薄力・中力・強力粉に置き換えれば失敗しません。
「メリケン」という言葉が使われた他の例
「メリケン」という言葉は粉以外にもいろいろな場面で使われました。時代の雰囲気を感じさせます。
地名・施設名に残る「メリケン」
神戸の「メリケン波止場」のように、今も地名や施設名に残っている例があります。貿易とともに広まった証です。
商品や呼び名に残った「メリケン」という言葉
かつては衣類や日用品などにも「メリケン○○」という呼び名があり、外国製を強調する言葉として使われていました。
「メリケン粉」に見る言葉の変化の流れ
外来語は導入時に意味が揺れながら定着します。「メリケン」もその一つで、時代の変化に合わせて使われ方が変わり、やがて「小麦粉」という表現に統一されました。
現代で「メリケン粉」を見かける場面
「メリケン粉」という言葉は今も一部で残っています。どういった場面で見かけるのかを見てみましょう。
会話・方言での自然な使用
関西や高齢世代の会話で今も「メリケン粉」と呼ぶことがあります。意味は小麦粉と同じです。
古いレシピや資料に登場するケース
昔の料理本や雑誌、新聞には「メリケン粉」という言葉が頻繁に登場します。料理の種類から薄力粉や強力粉に置き換えれば再現できます。
店舗名・商品名・メニューに残る名残
老舗の店や昔ながらの食堂などでは、看板や商品名に「メリケン粉」という表記が残ることがあります。地域文化の名残として見ることができます。
よくある質問(FAQ)

ここではよくある疑問に答えます。古い言葉への対応や料理での使い方に役立ちます。
Q.メリケン粉は今でも売っている?
現在は「小麦粉」として販売されています。一部に歴史的な名前を付けた商品もありますが、中身は小麦粉です。薄力粉や強力粉など、用途に合わせて選びましょう。
Q.関西で「メリケン粉」という人が多いのはなぜ?
関西は粉料理が盛んな地域で、昔からの呼び方が残りやすいためです。世代を超えて受け継がれ、今も会話で耳にすることがあります。
Q.小麦粉と薄力粉・強力粉の違いは?
小麦粉は総称で、たんぱく質量によって薄力粉・中力粉・強力粉に分かれます。ケーキや天ぷらは薄力粉、うどんは中力粉、パンやピザは強力粉が適しています。古いレシピに出てくる「メリケン粉」は、料理の種類から判断して使い分けましょう。
Q.メリケン粉は関西以外でも使われていた?
関西で特によく残っていますが、かつては全国的に使われていました。昭和中期までのレシピ本や雑誌には「メリケン粉」の表記が広く見られます。
Q.いつから「メリケン粉」は使われることが少なくなった?
昭和後半(1970年代以降)から「小麦粉」への表記統一が進み、平成に入ると一般にはほとんど使われなくなりました。現在では一部の高齢世代や地域で名残として残る程度です。
Q.メリケン粉と薄力粉は同じ?
メリケン粉は小麦粉全般を指す言葉で、薄力粉・中力粉・強力粉を区別するものではありません。古いレシピに出てきた場合は料理内容から判断し、ケーキや揚げ物なら薄力粉に置き換えて使うのが適切です。
まとめ:メリケン粉は小麦粉の古い呼び名だった
メリケン粉はアメリカから輸入された小麦粉を指す呼び名で、昭和中期までは一般的に使われていました。
戦後の食品表示や教育の普及によって「小麦粉」が標準化され、昭和後半以降は急速に使われなくなり、今では高齢世代や関西圏の会話に名残が見られる程度です。
つまり、メリケン粉=小麦粉という認識は正しく、時代の流れとともに表現が変わっただけです。
語源や歴史を知っておくことで、古いレシピや地域文化も理解しやすくなり、料理や会話にも役立ちます。